ケース集


DAYS元スタッフの会は、3月22日の声明発表から継続して株式会社デイズジャパンおよび広河隆一事務所の元スタッフの連帯をよびかけてきました。

その結果、現在までに多くの元スタッフが参加し、自分たちが受けた被害や、今後の方針などについて活発な話し合いをおこなうことができました。

また、多くの関係者に情報提供をいただいたり、声明の拡散に協力していただきました。

私たちの活動を支えていただいているみなさまに心よりお礼申し上げます。

 

これから私たちは、それぞれの体験を自分たちの言葉で広く発信し、広河隆一や株式会社デイズジャパンによる被害を明らかにしていくとともに、こうした被害が今後二度と起きないよう、教訓として残す作業に移ります。

 

私たちは、株式会社デイズジャパンや広河隆一事務所に関わった立場、期間、時期が異なり、それぞれの経験や一連の報道に対する想いもさまざまです。

そこで、まずは多くのメンバーが参加できる「ケース集」という形で、それぞれが経験したことを簡潔に紹介することにしました。

 

以下に、DAYS元スタッフの会のメンバーが経験した事例を、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、労働環境項ごとにご紹介します。

今後はこのケース集を更新しながら、個人による証言という形で、広河からの被害や報道に対する思い、今の心境などを綴った手記を随時掲載していく予定です。

 

 

 

1.セクシャルハラスメント

 

 ・デイズジャパンにボランティアに来た学生の連絡先を、総務の社員に執拗に聞いていた。その後、広河は広河隆一事務所のアルバイトをしないかとその学生に持ちかけ、最初の仕事として休日に広河が個人的に借りているマンションの一室に呼び出した。そのことをたまたま知ったデイズジャパンの社員が、広河にはセクハラなどの噂があることをその学生に伝え、一人で会社以外の場所に行かないようにと説得した。(元DAYSJAPAN編集)

 

・先輩社員から広河が「僕は世界中に子供がいるんだ」と自慢していたと聞いた。(元DAYSJAPAN営業)

 

・入社してすぐに、誘われたバーで「付き合おう」と広河に言われた。その場で断ったが「もうこれでクビになるのかな」と思った。(元広河隆一事務所スタッフ)

 

・デイズジャパンのボランティアスタッフの女性が、広河から性的なアプローチを受けていた。その女性は広河からの誘いを断ったが、広河はそのことを口外しないようにと口止めした。その女性は、自分が軽率だったのではないかと自分を責め、デイズジャパン社員に相談をした。相談を受けたデイズジャパン社員は、デイズジャパンの監査役の女性の秘書に相談したが、報告を受けた監査役の女性は広河に何らの忠告もせず、その事件を握り潰した。(元DAYS JAPAN社員)

 

・フリーランスとして編集に関わっておられた方が、広河氏の乱倫ぶりを指摘し、「最近は社員には手を付けなくなった」と表現されていた。しかし、一緒に働いていた社員の一人は、広河から自身への性的なアプローチがあったと言っていた。(元DAYS JAPAN社員)。

2.パワーハラスメント

 

・広河は気分の波が激しく、自分の思い通りにいかないとすぐにイラつき、直接関係ない場合であっても怒りをぶつけられた。怒っている時には冷静な会話ができず、不満やおかしいと思うことがあっても黙って聞くしかなかった。気分によって対応が変わるため、デイズジャパンの社員もいつも機嫌をうかがっていた。社内全体にそういう空気があった。(元広河隆一事務所スタッフ)

 

・突然休刊が決定した直後、退職条件について社労士と面談していた。社員が広河は同席させないでと言ったことで、パニック状態になった広河が部屋に飛び込んできて、「A社(役員の会社)へ就職をさせてやると言っているんだぞ!」と叫んだ。(元DAYSJAPAN営業)

 

・編集部が著者に原稿を依頼して進めていた企画について、編集長をすでに降りていた広河がセキュリティチェックと称して校了直前に著者の主張を捻じ曲げるような大幅な改変を加え、編集者と著者の信頼関係を悪化させるということがあった。前もって広河に相談しようとしても、最終稿が出るまで取り合わないことが常だった。(元DAYSJAPAN編集)

 

・新しいキャンペーン方法を考えろ、いい案があったらすぐに言えと頻繁に社長室に呼び出された。なにか提案しても、少しでもお金がかかることはさせてもらえなかった。物販に行くときも頻繁に電話がかかってきて、社員が行っても売り上げが低いならどうしようもないからボランティアに頼めと電話口で怒鳴られた。(元DAYSJAPAN営業)

 

・休日や勤務時間以外でも時間帯に関係なく仕事の指示や「◯◯が見つからない。どこにあるのか」などの電話やメールなどがきた。「今は難しいです」などと断ったり、彼の思い通りにいかないと、「じゃあもうあんたに頼まない」などと言って激怒された。電話やメールが一度もない休日はほとんどなく、メールの返信がないとすぐに「メールを見たか」と電話がかかってきた。衝動で次々仕事を頼まれるので時間や仕事量の管理ができず、彼が必要だと思った瞬間に思い通りのものができていないと機嫌が悪くなったり怒られたりするため、休日でも仕事を言いつけられると断れずに事務所に行くことが多々あった。(元広河隆一事務所スタッフ)

 

・気に入らないことがあると、社員を倉庫や社長室に呼び出して怒っていた。朝から社員がすすり泣く声が職場に響いていた。(元DAYSJAPAN営業)

 

・何度資料を渡しても、失くしたからもう一つ持ってこいと言われたり、広河が忘れてしまったことも社員のせいにされることが多々あった。広河隆一事務所の仕事やDAYSアクションの仕事を頼まれても断れなかった。(元DAYSJAPAN営業)

 

・広河はDAYSや彼のために働くことに対して大きな価値があると信じており、そのため労働者の権利を軽視していた。「そんなことはボランティアにやらせればいい」「この仕事はボランティアでも喜んでやる人がたくさんいる」「君はここで働けて幸せだ」などと言われたことがある。また今までいかに優秀な人や立派な職歴の人がデイズジャパンや広河隆一事務所で働いたり働きたがったかということや、デイズや広河隆一事務所で働いたらその後どこに行っても重宝されるなどと何度も聞かされた。(元広河隆一事務所スタッフ)

 

・倉庫に入りきれない在庫を処分しようとすると激昂し、何年も前に発刊されたDAYSJAPANの在庫を売る方法を考えて報告しろとまくし立てられた。入社直後で何も分からなかったので広河本人に聞いてみても具体的な方法は指示されず怒鳴られただけだった。(元DAYSJAPAN営業)

 

・求人には書いていなかった仕事も押し付けられそうになったので、抗議すると、「営業はすべてやるんだ!何人も雇えるわけがない」と怒鳴られた。(元DAYSJAPAN営業)

 

・広河からのスタッフへのハラスメントは日常化していた。ある日、3階のデイズジャパン事務所のドア前でボランティアスタッフの女性が一日中座り込んで泣いていた。デイズジャパン社員は心配になって介抱したが、その女性は泣き続けた。広河は女性が泣いている3階を通るのを嫌い、何とかしてその女性追い返すよう社員に指示していた。夜遅くなってその女性はいなくなり、広河氏は社を出た。(元DAYS JAPAN社員)

3.労働環境

 

・書籍を作る時やイベントをする時など、一人で決めて体制を整えずに衝動的に始めることが多く、社員は通常業務に加えイレギュラーな仕事が突然増えて負担が大きかった。それに対して社員が「仕事が多すぎて難しい」「通常業務ができない」「ちゃんと計画を相談してからにしてほしい」などと言うと「それならもう手伝わせない」「一人でやる」と怒った。でも結局は当然広河一人ではできないため社員は巻き込まれ、毎回ギリギリの状態で頼まれるため負担が大きく、過重労働の原因の一つでもあった。(元DAYSJAPAN編集)

 

・36協定の署名を強制させられそうになった。(元DAYSJAPAN営業)

 

・社員は多い時でも7人ほどで、広河とほか全社員が一人一役という体制だったので、相談できてなおかつ広河に何か意見を言って状況を変えられるような人がいなかった。相談しようと思えばできる役員や株主もいたが、みな結局は広河の言うことが絶対で、何かが改善されることはなかった。(元DAYSJAPAN編集)

 

・社長室に呼び出され、労働組合に入っていないかしつこく質問され、何か不満があれば組合等を通すことなく直接言うようにと言われた。また、労組に入っている社員を知っているかともきかれた。(元DAYSJAPAN営業)

 

・社員の多くが長時間の残業をしていたが、残業代はまったく出ていなかった。2016年に社労士が入り見直しがされたものの、みなし残業代制度が導入されただけで、みなし部分を超えた残業代についても計算されることはなかった。その上、見直しの際には基本給をみなし残業代の分だけ下げられたため、手取り賃金が増えることはなかった。(元DAYSJAPAN編集)

 

・広河だけでなく、当時の社長や元編集長による、労働組合に加入した社員に対する嫌がらせが凄まじかった。(元DAYSJAPAN編集)

 

・休刊の社内発表後、広河と共に社内会議に参加した社労士が、社員に会議の内容を録音をしないようにと言い、「かつて社長(広河)が話したことが外部に流出した」ため広河が「非常にショックを受けた」、それが「今回の解散の決定の一つの要因としてあった」と発言した。「流出」というのは、社員が加入する労働組合を広河が社内で「過激な組合」などと吹聴したり、その組合からの働きかけを受けていないか他の社員を問い詰めたりといった不当労働行為が組合側に伝わったことを指している。(元DAYSJAPAN編集)

 

・不当解雇や不当な退職勧奨が頻繁にあった。やる気も能力もあり勤務態度が良好であっても、広河のハラスメントや劣悪な職場環境に異議を唱える社員や、広河が気に入らない社員については、役員や役員の会社の社員を使って、様々な方法で辞めさせていくのを見た。(元DAYSJAPAN編集)

 

 ・まったく経験のない仕事を急に命じられ、やり方を聞くと怒られることが多々あった。ほかに知っている社員もおらず、仕方ないので先方に謝りながら仕事を教えてもらうことも頻繁にあった。(元DAYSJAPAN営業)

 

・全社員に日報を書く義務があった。広河は自分に都合の悪いことは忘れてしまうので、自分の身を守る為にその日あったやり取りの詳細を記す必要があった。特に広河隆一事務所は常時スタッフは1名で、裁量は全て広河が握っており、就業規則や環境などにおいて社員が守られる術が無かった。(元広河隆一事務所スタッフ)

 

・ある日突然「君との契約を解除する」と告げられ、理由を聞いても答えてもらえず、2週間後の退職を促された。(元広河隆一事務所スタッフ)

 

・デイズジャパンの監査役をつとめていた女性は、デイズジャパンよりも広河個人のサポートに徹していた。彼女は、自分が社長をつとめている会社の社員でもある自分の秘書を、デイズジャパン社員の相談窓口のような立場に置き、その秘書が相談を受けた数々の被害を握り潰すようなことがまかり通っていた。広河とその周辺には「実績とプライベートは分ける」といった考え方が通用しており、そうした考えのもと、隠蔽をおこなってきた。そうした役員のあり方が、広河のハラスメントを助長させ、改めさせる機会を失わせたのではないかと思う。(元DAYS JAPAN社員)